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本革巻きボールペン【クロコ】 開発秘話

そもそも革巻き加工を施したボールペンの開発自体は、20年以上前から、企画が出ては消えてを繰り返してきました。

もちろんその頃は、キリタの母体である桐平工業はOEMの専業でしたから、キリタのオリジナルとしての企画ではなく、商社や他メーカーからの依頼でした。

しかし実際にはなかなか製品化せず、いつも企画倒れで終わっていたのですが、その理由は、コストと数量と品質のバランスが、上手く一致しない事にありました。

今も色々なメーカーが革巻きのボールペンを出しており、私も今回比較検討のために色々購入して見ましたが、価格に関しては、安いもので2,000円位から、中心価格で3,000円〜5,000円でした。

そして私の見立てでは、ほぼ全てが中国アジアでの製造品のようでした。
(発売元に問い合わせたわけではありませんが。)

それに対して桐平ではどうしても東京周辺の革小物屋さんに巻きを頼むことになるのでコストが割高になってしまいます。

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2)
筒の表面に革を張るなんて、一見簡単そうに思えるのですが、これがけっこう難しいようです。実際に素人がやってみても、出来ることは出来るのですが、なんか仕上がりがぴしっといきません。

金属の円筒の表面に皮を張っていく場合、後でゆるみとか皺などが出ないように革を引っ張って伸ばしながら貼っていくらしいのですが、革の縦横で伸縮率が違ったり、巻き始めと巻き終わりの合わせ目の始末がピシッと行かなかったり、なかなか技術がいるようです。

それで結局そういうことを頼める所を探すのですが、そもそもボールペンの本体に革を巻く職人というのは存在していません。

バッグや財布などは基本ミシン掛けで作っていくので、革職人さんと言っても金属の表面に皮を張る作業が上手いとは限らない訳です。

どうも後々聞いたところでは、職人さんの仕事というのはかなり細分化されていて職人によって専門があるらしいのです。

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3)
昔からの革製品の職人さんというのは、何処かのバッグ会社に属している訳ではなく、あくまで個人営業の方が多いそうです。

財布をミシン掛けする専門の人とか、ベルトの革張りをする専門の人とか言う具合ですね。

そして仕事自体はどこから来るかというと、メーカーから依頼を受ける下請け会社が元締めのような形で、職人さんに仕事を割り振ってやらせているようです。

我々がそういう仕事を頼もうと業者を探す場合は、上から探していくと、その元締めの所まではたどり着くのですが、末端の職人さんまではたどり着けません。

個人営業の職人さんは看板を下げて仕事を取ったり探したりはしていないので、元締めさんを通さないと出会えないのです。

で、いざそのたどり着いた元締めさんに革巻きの仕事を頼んでみても、結局はその元締めさんがその手の作業を得意とする職人を抱えているかどうかで上手く巻いてもらえるかどうかが決まってきます。
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4)
例えば、以前にライターやさんに紹介してもらった元締め業者さんに頼んでみたときには、なんだかピシッと仕上がっていないサンプルが上がってきました。

また別の機会に、ある宝飾屋さんに別の革製品業者を紹介して貰った時には、なかなか上手に巻けているのですが、一見さん価格なのか、かなり高額な見積もりで諦めました。

ペン自体は工業製品でも、革巻き行程については職人さんの手作業になるため、全体のコストの中でも革まき工賃は別格に高いコストになります。

元々こちらも下請けとしてペンの製造を請け負っているのに、さらに革の元締め業者さんにがっぽりマージンを取られてしまっては、とても発注元の望む価格でペンを作れなくなります。

また、革巻き作業はどうしても手作業でしかできないため、一見さんからの依頼で数量が多いと、他の仕事に差し支えるからと言って受けて貰えなかったりもしがちです。

せっかく発注元が高単価を了承してくれても、数量と納期の問題で実現しないなんてことも。
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5)
そんなこんなで革巻きボールペンの企画は、ずっと前から出ては消え、出ては消えを繰り返してきました。

この連載の最初で言ったように、コストと数量と品質のバランスが、上手く一致しなかったわけです。

アジアの安い工賃で大量に生産する大手なら、不良率を見越しても、革巻き工賃を安く抑えられるのかもしれませんが、桐平工業としては出来なかったのです。

そんな堂々巡りの状況から、今回なんとか革巻きペンを発売にこぎ着けられたのは、ある二つの偶然の出会いがあったからでした。

一つは、革張りの職人さんとの出会いです。

今回ペンの本体軸に革を巻いていただいた職人さんは、革製品メーカー経由で上から辿っていったのではなく、本当に末端の職人さんに偶然出会い、直接巻きを頼むことが出来ました。

そもそものきっかけは、
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6)
私の父(2代目)は30代から50代の頃に、ボランティアで地元小岩の交通安全協会員として活動していました。

小岩の安協では交通少年団なる物を組織していて、当時小学生だった私も無理矢理参加させられて、かなり嫌だった記憶があります。

安全協会そのものはともかくとして、今思い返しても少年団の方は、完全に警察の自己満足と自己アピール、予算回しの為だったような気も・・。

まぁそれは蛇足ですが、その安協の仲間で加藤さんという骨董屋さんがいまして、父と親しくしていました。

父世代の人たちが安協を引退した後も、加藤さんはちょくちょく遊びに来ていたのですが、ある日突然家に来て「かっちゃん、革巻きのボールペン作らないか?いい職人を知っているんだけど。」と言い出しました。

加藤さんは骨董屋さんなので、表具師さんや刀の研ぎ師など、色々なつてが有り、革張りの職人さんも最近親しくなったのだとか。

「まあ、上手に巻ける人で値段も高くないなら、興味はありますが。」と、最初はあまり信じていなかった私ですが、「じゃあ紹介するから会いに行こう。」とあっという間に連れ出されてしまいました。
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7)
骨董屋の加藤さんに連れて行かれた革職人の家(兼仕事場)は、以外にもキリタから車で僅か5分の近い場所にありました。

しかも私の母の実家である酒屋と同じ上一色南町会で、ほんの50mしか離れていないご近所さんで、当然酒屋のお得意様。

私自身何度もその前の道を通っていましたが、看板も出ていない普通の家なので、そこが革張り職人の仕事場だとは全く知りませんでした。

その桐生皮革工芸さんは、ご近所同士の二人の職人さんが共同で営む工房名です。

一人は革のベルト専門の職人である青木さん。もう一人がメガネケースなどの小物に革を張る専門職人の鈴木さんです。

どちらも70歳を越える高齢ですが、そこは定年のない職人ですから、体が元気なうちは引退はありません。

加藤さんとは日頃から親しくしているらしく、しかも私の母の実家が近所の酒屋と言うこともあり、まずは打ち解けてサンプルからやってみようと言うことになりました。

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8)
以前にもお伝えしたように、職人さんの多くは親方から仕事が回ってくるのを待っているのですが、基本的な立場としては個人営業です。

普段はいつもお世話になっている親方からの仕事を主にしている訳ですが、その親方以外の仕事を禁止されているわけではありません。(そういう所もあるとは思います。)

そういう訳で始まったサンプル作りですが、最初に頼んだ牛革巻きが上がってくるとかなり綺麗に仕上がっています。

これなら行けるんじゃないかと喜んで見積もりをみると、以前のように鞄会社を通じたときよりはかなり安い価格になっています。

ただそれでも、青木さんが革問屋から仕入れてくれる革素材の価格まで含めるとけっこうなコストで、他社の海外製造革巻きペンと比べると、やはりすこし割高な製品価格にはなりそうな感じです。

ただ、牛革を本体に巻いただけのペンでは、特徴面で他社との差別化は十分でなく、価格が高ければ戦えません。

そこで青木さんに、何か別の素材はないかと相談すると、

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9)
桐生皮革工芸の青木さんに、牛革以外で他社製品と差別化できる素材はないかと相談したところ、いくつかの候補を考え、サンプルを制作してくれました。

牛に比較的近い物としては、牛と比べて価値が出ない豚などは除くと、山羊(やぎ)が面白そうでした。

なめした仕上がりが牛よりちょっとごわつき感というか、細かい皺っぽくて、それがよい特徴になっています。ただ、まだちょっとインパクトに欠けるかなと言う感じです。

青木さんは本職がベルト屋さんで、どちらかというと爬虫類が得意分野でした。それで蛇については何種類かのサンプルを作ってくれました。

ニシキヘビやコブラ、トカゲなど、ちょっと興味をそそりそうなもので、なかなか面白いサンプルが出来ました。

ただ、ちょっとマニア向けに偏りすぎかなという懸念と、皮がけっこう薄くて固いため、牛革の柔らかく指が食い込む感じが好きな私の好みと合わず、最終的にはこれらは採用にしませんでした。

その他アイデアとして出たのが、

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10)
単なる牛革では他社との差別化が出来ないと言うことで、色々試していったのですが、こちらからの要望として、青木さんに試して貰ったのが、オーストリッチ(ダチョウ)、スティングレー(エイ)、クロコダイル(ワニ)の三種でした。

これらの素材は、高級なバッグなどの素材として人気が高く、価格も牛に比べてかなり高価になっているので、是非試したかったのです。

中でもオーストリッチ革の特徴は、なんと言っても表面にボツボツのあることなのですが、あのボツボツはダチョウの革全体にあるのではなく、革の一部にしか無いのだとか。

バッグや財布でも、ボツボツの部分だけを使った物は何十万円もする高価な物で、手ごろな価格のもの(それでも高価)では、ボツボツのある部分と無い部分が混在しているそうです。

そのためボツボツ部分はいわば奪い合いで、端切れも出ないとのこと。

ペンに使う革の面積は小さいので、牛などを使うのであればバッグ用に使った革の端切れを安く購入し再利用することも考えられるのですが、ダチョウではそうはいかないようです。

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11)
ペンの場合は表面積が少ないため、どうしてもダチョウの場合は、ボツボツのある部分のみを使わないとオーストリッチとして認知されません。

そのため革の費用がかなりの金額になるのですが、もう一つ問題がありました。

ペンという細い円筒状の物に革を巻くためには、かなり薄く革を剥(す)かなければなりません。

しかしダチョウ皮の場合、一定以上に薄く剥くとボツボツ部分に穴が空いてしまうのです。

工夫の余地はあるとは思うのですが、革の価格のこともあり、一旦オーストリッチについては後に回すことになりました。

この、剥いて巻くのが難しいという問題は、エイ皮でも同じでした。

全体が細かいビーズで覆われたようなエイ皮は、最近特に人気がある超高級皮ですが、非常に加工が難しい素材のようです。

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12)
エイの表面のつぶつぶは非常に堅くて、通常牛革を扱っているバッグ屋さんの鋏では、文字通り歯が立たない堅さだそうです。

厚みも厚い部分と薄い部分があって、剥くときに一定しないし、ペンの細い円筒に巻けるくらいの薄さにするのは、かなり苦労したようです。

青木さんは通常柔らかい哺乳類皮か、薄い爬虫類皮を専門でやっているので、結局サンプルの2本だけやって貰っただけで、エイの量産は勘弁してくれとの泣きが入ってしまい、こちらも泣く泣く諦めました。

そんなこんなで、なかなか試作ばかりで開発がはかどらないでいたある日、工房の近所に住んでいて日頃からお世話になっている高校の先輩が、合わせたい人がいるから出てこいと呼び出しがかかりました。

先輩の飲み友達の鞄屋さんが、ボールペン屋を探しているとかいないとかで、とりあえず小岩の飲み屋で顔合わせとなりました。

それで知り合ったのが、関西出身なのになぜか墨田で鞄のメーカーをしている日根野さんでした。

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13)
日根野さんは現在五十代半ばで、若い頃は大手商社でバリバリ仕事をし、後に神戸で独立して会社を経営していたのですが、阪神大震災で全てを失い、裸一貫で東京へ進出してきたそうです。

商社時代の経営センスで、都内の鞄工房との関係を築くとともに、海外工場とも取引を開始し、海外の鞄工場で制作した自社製品を国内で販売するスタイルで、新興の鞄メーカーとして勢いのある人でした。

取り扱うのはワニ皮とダチョウ皮製品に特化し、鞄、財布などの高級クロコ製品、オーストリッチ製品を製造販売しています。

そんな日根野さんと、私の地元の先輩がゴルフ仲間で飲み仲間だったのですが、たまたま日根野さんの方からワニ皮を巻いたペンの開発をしたいという話が雑談で出て、それならうってつけの人間がいると言うことで、お呼びがかかったという訳でした。

実際私の方でも革巻きペンの開発をしている最中で、ワニ皮も試したと思っていた矢先だったので、思わぬ天の配剤に本当に驚きました。

過去にも経験があるのですが、何かを一生懸命にやっていると、不思議と助けてくれる人が現れる事って、本当にあるんですね。

 

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14)
職人気質の青木さんたちとは打って変わり、日根野さんは関西特有?の豪快で勢いのある人でした。

ゴルフが好き、お酒が好き、カラオケが好きという遊び好きの明るい性格で、それでも仕事はバリバリこなし、一年の半分はベトナムの縫製工場にいる仕事人です。

まずは試作として、日根野さんの会社にあったクロコの端切れを貰い、それを青木さんの所へ持ち込んでペンの本体軸に巻いて貰いました。

細い筒に巻くにはなるべく薄く剥いた方が巻きやすいのですが、クロコ革の場合は表面が凸凹しているため、余り薄くすると凹のところが穴が空いてしまいます。

青木さんの工房にある革を剥く機械の設定を何回か試して、どうやら皮の薄さが0.7mm〜0.8mmが限界で、それより薄くすると穴が空く事が分かりました。

今まで試した牛革などでは、0.5mm程度の薄さまで剥いたものを巻いていたので、それらと比べると大分厚い革を巻くことになります。

(たった0.2-3mmしか違わないようでも、実際に巻いてみるとかなりの厚さの違いが実感できます。)

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15)
日根野さんの会社コムオンボは、QVCやその他テレビ局のテレビ通販でワニ皮の財布などをガンガン売っています。

芸能人とのコラボ企画などもやっていて、それだけに品質・デザイン力共に、実力は確かなもの。

そんなコムオンボさんからクロコ革を調達することによって、青木さん経由で問屋から調達するよりも、少し安価にワニ皮を調達できました。

少し安価と言っても、牛革に比べるとワニ皮は格段に高く(と言うよりワニ皮と比べると牛革はタダみたいなもの)製品価格も高くなりますが、他社との差別化という意味でも、ワニ皮にしてよかったと思います。

また完成品メーカーであるコムオンボさんは、ワシントン条約に基づいて爬虫類の皮革を正しく調達・販売をしているJRAの会員です。

そのコムオンボさんから直接ワニ皮を仕入れることによって、キリタのクロコボールペンにもJRAの認定証が付けられるようになりました。

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16)
皮の厚みが0.3-0.4mm変わると、それをペンに巻いた時の本体の直径は単純計算でも0.6-0.8mmくらい太くなります。

円周上に巻かれると、断面図的に直径を見たときに、厚くなった部分を2カ所含めて測ることになるからです。

これがワニ革巻きで厚さ0.8mmともなると、外径で1.6mmも太くなることになります。

今回革巻きボールペンの制作に使った本体軸は、直径が9.5mmの真鍮のパイプ材です。

お気づきの方もいるかもしれませんが、この太さはキリタの看板製品であるケーファーと同じものです。

牛革や蛇革等の薄く剥ける革で試作していた頃には、先金やクリップ管などはケーファーの部品を使っていました。

まぁつまり、ケーファーの部品で転用できるものは転用しようとしていたのですが、これだけ本体の外径寸法が変わってくると、さすがにそのままの部品では使えなくなります。

革を巻いた本体軸と他の部品の外径が違いすぎて、単純に段差も大きすぎるし、巻いた革の端面もむき出しになってしまいます。

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17)
本体の外径が大きく(太く)なると、先金や天金のような小部品の他に、クリップもそのままケーファーのものでは使えなくなります。

本体とクリップの隙間、ノートやシャツの布が挟まる部分が狭くなりすぎるからです。

ケーファーの本体軸の太さは、直径で9.5mm。クリップもそれにちょうど良い大きさになっています。

0.4mm程度の牛革を巻いた外径10.3mm程度の外径ならまだしも、ワニ皮を巻いた11mmを越える外径ではどうにも収まりません。

実は最初の計画では、先軸と後軸が分かれた一般的なデザインのペンの他に、ケーファーそのものを使って表面を革巻きにしたバージョンも
考えていました。

しかしこの状況になると、ケーファークリップの太軸バージョンを型から作る必要があり、けっこうな金額になってしまいます。

もちろん相当数の販売が見込めればそれでも良いのですが、数万円になるであろうクロコ版ケーファーがどれだけ売れるかは未知数です。

結局ケーファークロコバージョンは一旦凍結し、先ずは先軸後軸の分かれた通常タイプのペンのみで開発することになりました。

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18)
ワニ皮を巻いたペン本体の太さの問題で、キリタで通常使っているクリップが使えないことになり、何か別のクリップを採用しなければなりません。

クリップを専門に扱う製造メーカーとしてキリタがお世話になっているのは、葛飾の東京金属工業さんです。

キリタでは、基本オリジナル品には専用のクリップを作ってもらっていますが、東金さんでは一般品のクリップも扱っています。

ただその中でも、多くのペンが外径(太さ)10mmくらいまでなので、外径11mmのペンに合うクリップはかなり少数です。

その中でも今回は、太い外径にも負けないボリューム感のあるPS-93と言うクリップを採用しました。

形としてはちょっとのっぺりしていますが、シンプルで名入れをするスペースもあります。

表面が凸凹していて柄がそれぞれ異なるクロコ革には、通常キリタで使っているレーザーではいまいちキレイに名入れを入れられないので、名入れの要望には、クリップ上に名入れをしています。

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19)
他社から出ている革巻きペンの多くは、革に接する部分の部品(先金や中間リング、天金)の太さを、革を巻く前の本体と同じ太さにするか、巻いた革と同じ太さにしています。

革を巻く前の本体軸と同じ太さの場合、要するにベースとなる製品の部品をそのまま使っていると言う意味になりますね。

開発・製造する方としては、使い回しで手間がかからずコストも安いので助かります。

ただそれだとどうしても、革の端面(はじっこの厚み部)が見えてしまうし、一番心配なのはそこから皮が剥がれてくることです。

多くの製品では牛革を薄く剥いて使い、強力な接着剤でぴったり貼る事によって、それなりに仕上げているようです。

厚めの皮を使っている製品の多くでは、革を巻いた後の本体の外径と同じ太さで部品が作られています。

この方が端面が隠れて段差も気にならなくなるので、良いですね。牛革を剥くのであれば厚みを均一に出せるので、可能な仕上げです。

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20)
ただ今回のクロコダイル革の場合、表面に凸凹があるのが端面処理でも問題になりました。

革を巻いたときのペンの外径が11mmになるように皮は剥いているのですが、切り口については、凸凹がある分どうしても11mmより飛びでも部分もあるし、当然凹の部分では10mm位の部分もある訳です。

当初のサンプル段階では、革の切り口に接する先金などの部品は外径11mmで制作していました。

それはそれで、それなりに良い感じで仕上がっていて、日根野さんに見せてもOKを貰えていました。

外径9.5mmの真鍮パイプの上に青木さんが薄く剥いたクロコ革を巻き、極シンプルなデザインの先金、リング、クリップ、天金を配し、素材の魅力を前面に出した製品としてサンプルは一旦完成しました。

しかし、これでいけるかと思っていたのですが、ここに来て組み立て担当の職人である加川から、革の切り口とそれに接する先金やリングのについて、その仕上がりを危惧する意見が出てきました。

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21)
加川の見立てでは、革を巻いたパイプの端面処理にどうしても多少のムラがあり、単純に寸法を合わせた部品を繋げるのは危険とのこと。

革を巻く際には、事前にある程度寸法を合わせた大きさに裁断した革を使うのですが、はみ出した部分はナイフで切り取って使います。

ただ手作業での切り取りのため、凸凹のある革はなかなか切りにくく、サンプルはともかく、量産をするとまれに切り口がピシッと揃って切れていないものが、どうしても発生してしまいます。

そこに先金などの部品を当てても、密着しない場合があったり、また厚み方向には元々の革の凸凹で飛び出る部分もあり、そうなると指で触って引っかかりに感じる事もあり得ます。

さらにそこを指で触っているうちに、革がその部分から剥がれる危険も出て来るだろうというのが、加川の主張でした。

加川はベテランの職人であり、キリタの組み立て部門の責任者です。彼のOKが出ないものは、製品として世に出すことはできません。

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22)
凸凹のあるワニ革を巻いたパイプの端面をそのままにしておくと、どうしてもそこから革が剥がれやすいと言うことで、加川から出た改善案は、その部分に接する部品で端面を隠すというものでした。

先金や中間リングの本体に接する部分を段穴にして、本体パイプの端面をそこに入れ込みカバーすることで、革の端を隠して保護できます。

そこで早速手作りでサンプルを制作してると、確かに端面は保護できるしっかりした製品ができあがりました。

ただここでデザイン面での問題が出てきました。どうしてもその部分の外径が極端に太くなってしまうため、かなり不格好になってしまうのです。

機能とデザインの板挟みになって、さて思案のしどころです。

サンプルは寸法については大体こんな文だろうという感覚で作ったので、かなりおおざっぱに太めに作ってありました。

そこで、パソコンのCADを使って、ギリギリ何処まで革を包む部品の外径を小さく細くできるか追求してみました。

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23)
革に被せるパーツは中間リングと先金ですが、リングは多少太くても、丸みを持たせる事でデザイン的にいい感じになるので、問題は先金です。

革を巻く前のパイプの外径が9.5mmで、剥いた後の革の厚みが0.7mmとすると、それをパイプに巻くと外径が計算上は10.9mmになります。

先金のそこに被せる部分の穴径をギリギリの11mmにして、その部分の肉厚を0.3mmとすると、先金の外径が11.6mmで収まる計算になります。

問題は11mmの穴に10.9mmの革を巻いたパイプが入るかどうかです。計算上は入るのですが、実際には部分的に凸凹の凸部で11mmを越えてしまう部分もありそうだからです。

そのことを加川に相談すると、凸の部分も押し込むようにして入れれば入るのではないかと言うことで、先ずは試してみることに。

今度は内外径の数値をきっちり出すためにNC旋盤で制作し、組み立ててみると、まあまあいい感じで収まります。

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24)
中間リングも先金と同様の被せるタイプにし、以前に作ったサンプルでは先軸側に一つだけ付いていたリングを、先軸側と後軸側の両方に付けることにしました。

これで本体軸、先金などの細かい部品、クリップなどのパーツが揃い、開発は完了です。

組んでみると、極シンプルなデザインながら、そのシンプルさがクロコ革の風合いを活かし、苦労した細かい部品も太くなりすぎずに収まり、なかなかいい感じです。

改良前と後の比較写真も載せておきます。

いよいよ日根野さんのコムオンボから本番用のワニ皮を貰ってきて、生産にかかります。

ワニ皮の色は、コムオンボからの調達のしやすさも考慮して、マットブラック、マットレッド、マットパープルの三色にしました。

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25)
ところで、私の寡聞を告白しますが、実はワニ皮ってあのゴツゴツした背中の革をどうやって処理しているんだろうと思っていました。

今回の開発中に、ワニ皮はお腹の革を使うんだと言うことを初めて知り、ちょっと恥ずかしかったです。

日根野さんによると、お腹の革であれば柔らかいし、カラーも基本的にどんな色にも染められるとのことです。

今回選んだ3色は、バッグなどによく使われる人気のカラーで、調達もしやすいとのことで、日根野さんと相談して決めました。

一般的に仕上げについてはツヤ有りかツヤ消し(マット)仕様になります。

今回マットを採用したのは、ツヤ有り仕様の方が革が固くなり、ボールペンの細いパイプに巻くのが難しいためです。

日根野さんはjコラボ製品として自社でも販売したいと考えており、艶有りも欲しいとのことで、青木さんには艶有り革の試作も依頼したのですが、やはり固すぎてとても巻けないとのことでした。

ただ私自身は、今回のマットはとても品が良く、艶有りにするとテカテカして派手すぎるだろうとの思いがあったので、マットでよかったと思っています。

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26)
そんなこんなで構想20年、実際の開発期間2年という年月がかかった本革巻きボールペンも、ようやく完成して本生産にかかった頃、思いも掛けない突然の訃報が舞い込んできました。

骨董屋の加藤さんです。

私の父の親友であり、桐生皮革工房の青木さん、鈴木さんを紹介してくれた、いわばこのペンの生みの親ともいえる人物です。

ある日突然青木さんからの電話が鳴って、「なんか突然だけど、加藤さんが亡くなったらしいよ。」とのこと。

加藤さんはまだ60代の半ば。あまりに突然で、しかも青木さんの言い方が曖昧なので、最初はよく分かりませんでした。

「さっき突然加藤さんの奥さんが訪ねてきて、どうもそういうことらしいんだけど、東京葬祭に確認してくれないか。」とのこと。

と言うのも、加藤さんの奥さんは、

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27)
私に革職人の青木さんを紹介してくれた加藤さんが、突然亡くなったようだとの連絡を青木さんから受けたのですが、事の真偽を確かめるためには、まず近くの葬祭場に電話をしなければなりませんでした。

と言うのも、加藤さんの現在の奥さんはフィリピン人で、あまり日本語も得意でなく、こんな場合に連絡を取るべき加藤さんの交友関係が分からないでいたのです。

本来なら複数の経路で父の所に連絡が入るべき事項なのですが、今回はどこからも連絡は入りませんでした。

加藤さんは奥さんと子どもの三人暮らしでしたが、亡くなったときには奥さんと子どもはフィリピンに里帰り中で、一人で暮らしていた最中の突然死でした。

通常は一日に一回入るメールが三日も入らないので、心配した奥さんが急いで日本に戻ってみると、既に家の中で死んでいたそうです。

奥さんがかろうじて青木さんの所に来られたのは、加藤さんが生前たまたま奥さんと一緒に青木さんの家の前を車で通り、ここが革職人の青木さんの家だと教えていたのを奥さんが覚えていたからでした。

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28)
加藤さんの葬儀については、お通夜は無しで、告別式も葬祭場できちんと行われることもなく、火葬場で簡単なお見送りをしただけでした。

私の父の所から、加藤さんとの共通の知人に連絡を入れることも可能だったのですが、時間がなかったのと、奥さんがそれを望んでいるか確かめられなかったため、敢えてしませんでした。

結局火葬場で見送ったのは、奥さんとその友人夫妻の他は私と青木さんだけという寂しいお別れでした。

加藤さんの離婚した元の奥さんや子ども達には連絡はついたらしいのですが、葬儀には来ませんでした。

フィリピン人の奥さんは色々勝手が分からず、何処にどのくらいの資産があるかも分からないと言うことで、かなり苦労をしていたようでした。

この時点ではまだクロコボールペンは発売にこぎつけていなくて、私と青木さんは瑞江の火葬場からの帰り道で、これは何とかこの製品を世に送り出さないといけないとの思いを、共に抱いていました。

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29)
この本革巻きボールペン【クロコ】の価格は18,000円です。本当に正直言うと私にはこの価格が高いのか安いのか分かりません。

この価格を決めたのはクロコバッグや財布を専門に製造販売している日根野さんです。

日根野さん曰く、本物のクロコの革をこのペンの為だけに調達したら、もっと高い価格になるで。クロコの財布なんてベトナム製でも2万円から、日本製なら5万円以上、10万でも当たり前やで。

このボールペンは巻きも日本の職人だし、ペンは桐ちゃんとこの工房で作っている純日本製なんだから、18,000円でも安いくらいや、とのこと。

こんな良いもんが出来たんならうちとこでも売らせてな。と言うことで、日根野さんの会社でもコラボ製品として販売することになっています。

なるほど、クロコ製品の相場は知らなかったんですが、高いんですね。

日根野さんは、自社のクロコ製バッグや財布を売るルートがあるので、今回のクロコ製ボールペンも、いずれ何処かの店頭でも目にすることがあるかもしれません。

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30)
そんなこんなでようやく本革巻きボールペン【クロコ】を発売にこぎつけたのが、昨年(2014年)の春でした。

実に構想から20年、開発着手からでも2年以上が経っていました。

一定のファンがいるとはいえ好みの難しいクロコ革という素材、ボールペンとしては高価な価格、ラインナップに近い価格の製品もある事などから、爆発的には売れていませんが、ポツポツと着実に注文もいただいています。

日根野さんの会社で、コラボ製品として販売する予定もありますが、メインがクロコの高級バッグで、その片手間としての営業活動なので、今のところ大きな動きはないようです。

もっともいっぺんに大量に作ろうと思っても、何しろ職人の青木さん、鈴木さんが高齢なので、あまり沢山は作れません。ポツポツくらいがちょうど良い感じです。

二人とも70代の半ば過ぎという年齢ですが、現在は腕の良い職人が減っているので、なかなか周りが引退をさせてくれないようです。

ただ高齢の職人に頼っている現状は、日本の物作りという点で考えると、かなり心配な状況ですね。

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31)
日根野さんはクロコのバッグをQVCなどのTV通販でガンガン売っていますが、それらのTV通販では圧倒的に女性向けだそうです。

でも日根野さん曰く「なかなか女性で自腹で3千円以上のボールペンを買おうという人はおらんから、筆記具はTV通販では無理」とのこと。

日根野さんとしては、せっかくコラボでよい製品ができたので自社でも売りたいようですが、なかなか苦戦しているようです。

最近、日根野さんは会社名を「コムオンボ」から「ドリームワークス」に変更。事務所も引越をして、さらなる発展を目指しているようです。

その日根野さんの企画で、QVCの新ブランド『スタイルクロコ』のバッグを出す記念として、金バージョンと白バージョンのクロコボールペンを、抽選で景品としてプレゼントすることになりました。

塗装品は一定の数量が必要ですが、クロコの場合は革さえあれば少量でも色違いが作れるので、通常の黒、赤、紫の3色だけでなく、たまに変わったカラーを限定で出すのも、この製品ではありですね。

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32)
クロコの革をペンの本体軸に巻いてくれているのは、先に紹介したとおり桐生皮革工房の青木さんと鈴木さんです。

工房の窓口をしている青木さんはベルト職人で、鈴木さんはメガネのケースなどの小物に革や布を貼り付ける職人さんです。

ペンについては、日根野さんから来た革を薄く剥く作業は青木さんの持っている機械で行い、実際の巻き付けて接着する作業は鈴木さんが行っています。

それぞれが個人事業主でもあるこの二人は、ご近所に住む革職人同士と言うことで一緒に仕事もしていますが、恐ろしく個性が違います。

青木さんの方が窓口をしているだけあって、性格も社交的で、お喋りが大好き。一度訪問すると延々といろんな話を聞かされて、つい長居をしてしまいます。

何年か前に奥さんを亡くされて、ご子息は都内にいるそうですが、現在一軒家に一人暮らし。

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33)
青木さんの相棒である鈴木さんは、青木さんと同じ町内会のご近所で奥様と二人暮らしです。

決して愛想が悪い訳ではないのですが、青木さんと比べると寡黙で、あまり多くを語りません。

仕事場を兼ねた自宅を訪問すると、ものすごく綺麗に片付いた客間に通されて奥様の入れたお茶が出てきますが、仕事場には決して入れてくれません。

職人さんの中には、仕事場に人を入れるのを好まない人も多いようです。

逆に青木さんは、一歩家に入るとそこが仕事場なので、乱雑な仕事の様子が見えまくりです。

乱雑と言うよりも、ほとんどゴミ屋敷に近いほどに、色々と材料やら機械やら金具などが積み重なっています。

青木さんに言わせると、この乱雑さは奥様を亡くされた為ではなく元々で、寝室や居間などはちゃんとそれなりに片付いているとのこと。
(でも私はちょっと疑っていますが。(^_^;))

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34)
桐生皮革工芸では青木さんが窓口なので、主に青木さんの家に行くのですが、個人的に趣味で作ったバッグなどを見せてくれます。

ワニ革のバッグは通常お腹の皮を使いますが、背中のゴツゴツの皮を使ったバッグとか、白蛇の皮を使った小銭入れとか、アルマジロ革のバッグとか、およそ誰も使わないようなものを作って楽しんでいるんですね。

仕事がそのまま趣味とか生き甲斐になっている、昔ながらの日本の職人さんの姿を見るようで、楽しい時間です。(ただ、中々帰してくれないのは困りものですが。)

二人の職人さんに共通なのは、家の前の僅かな空間に、植物をいっぱい置いて楽しんでいることです。

鈴木さんは盆栽が趣味で、青木さんの家の前の盆栽のいくつかも、鈴木さんが育てたものを貰ったのだとか。

そんな仲の良いお二人ですが、

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35)
青木さんと鈴木さんの二人で助け合って回してきた桐生皮革工芸ですが、残念ながら今年で青木さんは引退することになりそうです。

なんでも、都内の別の地域で暮らしている息子さんから、一緒に住んで孫の面倒を見てくれと頼まれているとのこと。

数年前に奥様を亡くされた青木さんですから、心配する息子さんからの誘いは断りにくく、引越を検討しているとのこと。

本人は仕事を続けたいのですが、やはり何処かのタイミングで息子に従わなければならないだろうと話す青木さんは、ちょっぴり残念そうに見えます。

革を実際に巻いているのは鈴木さんなので、革巻きボールペンは今後も制作はできそうですが、職人さんが居なくなるのはやはり寂しいですね。

引越の時期についてはまだ決まっておらず、今家探しをしているそうですが、正直早くに家が見つからないことを祈ってしまいます。

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(36)
この本革巻きボールペン【クロコ】の開発秘話は数えること36回。今まで色々なテーマで連載してきた中でも最長のものとなりました。

やはり開発にも苦労もし、人の手も借り、中には発売前に亡くなった関係者もおり、それだけ思い入れの多い製品なのですね。

発売から一年あまり、趣味性が強く価格も高いので爆発的には出ていませんが、確実に売れていっています。

名入れも、他のペンのように本体の側面に加工はできませんが、他の製品よりも平らなクリップを採用しているので、クリップ上にレーザーで彫ることができます。

5月の母の日が終わるとすぐに父の日もやってきます。今度の父の日には名前入りでクロコボールペンを贈ってみてはいかがでしょうか。

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(37)
先週までで終了したクロコボールペン開発秘話ですが、ちょっとだけ補足情報をさせて頂きます。

以前にもお話ししたテレビ通販の最大手から発売されるクロコ革バッグの景品として、チョコ金バージョンと白バージョンのクロコボールペンを作るのですが、それ用の革巻きが軸上がってきました。

この原稿を書いている時点ではまだペンの形になっていないのですが、革の巻かれた本体軸を見る限り、なかなか良さそうです。

チョコ金と白の割合は圧倒的に白が売れるそうで、注文の8割方が白のため、うちで制作するペンも同じ比率で白バージョンが大半を占めます。

この白はただの白ではなく、ワニ皮の凸凹の凹の部分に黒を入れて模様をはっきりと浮き上がらせており、とても高級感があります。

日根野さんのドリームワークスで制作する財布やバッグ全般でこの白は今大人気だそうで、色々なブランドがこの白ワニ革を採用しているとか。

来週には、完成したペンの写真を公開できると思います。

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38)
先週お話ししたチョコバージョンと白バージョンの革巻きがペンの形に組み上げられ、日根野さんのドリームワークスに納品されました。

この白は皮の凸凹の凹の部分に黒を入れてありますが、方法としては、先ず皮を白に染めてから、黒の塗料を皮に塗ります。

その後、黒が完全に乾かないうちに表面だ下を拭き取ると、凹分にだけ黒が残って、模様がくっきりと浮かび上がってきます。

すごく高級感があり綺麗な仕上がりなので、テレビショッピングの景品用に作ったものありますが、せっかくだからキリタでも販売することになりました。

日根野さんからの皮の供給が、継続的にしていただけるのか分からない製品となりますので、興味のあります方はお早めにご用命ください。

カラー選択肢の中で、ホワイトを選択してご注文ください。

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