ボールペンの歴史の7
ボールペンの歴史の7>
プラスチック製品の台頭で低価格化が進んだボールペン業界ですが、その後各社で新機構・高付加価値商品の開発が続きました。
1984年 サクラクレパスが、世界で初めて開発したゲルボールペンである「ボールサイン」が発売されます。
これを皮切りに、世が平成になると各社からゲルボールペンが登場し、事務用の低価格ボールペンでは一気にゲルが主流になっていきます。
ゲルインクは水性ベースで作られているため正確には水性ボールペンの亜種ですが、両方の特徴を併せ持っているため、中性インクとも呼ばれています。
ゲルインクの仕組みなどは後日に譲りますが、キャップがいらずにすらすらと軽く書けるこのインクは瞬く間に普及し、本数ベースでは油性を凌いで現在最も普及しているインクとなっています。
ちょっと別の話になりますが、アメリカのフィッシャーが1965年に開発したスペースペンは、インクタンク内に高圧の窒素ガスを注入し密閉することによって、宇宙でも、ペン先を上にしても書けるペンを実現しました。
このNASAにも採用されたペンは、長い期間特許に守られて独占的に販売されていましたが、特許の切れた数年前から三菱鉛筆がパワータンクシリーズとして発売しています。
またトンボ鉛筆では、通常の芯を使いながら、ノックのたびに加圧することによって、スペースペンのように上向きでも書けるペンである「エアープレス」を2008年に発売しています。
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この記事は2011年3月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】