プレスクリップについての2

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展開図の形で板から打ち抜いたクリップは、「絞り」工程で形を盛り上げます。

金属板を雄型と雌型で、瞬間的に強い力でガッシャンと挟み込むことによって、金属が薄く伸びて、型の形に変形します。

例えば金属製のお釜などはこの方法で形を出します。

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ただの板状のまま展開図の形に打ち抜かれていたクリップは、この「絞り」によって立体的に膨らんだ形になります。

当然、金属が伸びた分は、その部分の板の厚さは逆に最初より薄くなります。

そしてクリップの縁や、先端のボール状に丸くなった所などは、次の「曲げ」工程で、再びガッチャンとプレスされ、折り曲げられて形が作られていきます。

全ての部分を一度に曲げることはできないので、曲げる部位毎に型を変えて何度もプレスすることになります。

クリップが90度に曲げられてペンに取り付けられる部分では、一度のプレスでは曲げきれずに、2・3回に分けて少しずつ曲げていきます。

こうして見ていくと、一つのペンクリップを作るには何度も型を変えて何度もプレスを掛ていく必要があるのが分かります。

型もその工程毎に必要なので、クリップ一つに7・8個の型を製作しなければならず、そのための費用も100万円を軽く越えることも珍しくありません。

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この記事は2009年11月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】