東京金属について、その1

東京金属についての1>

東京金属工業(株)〔以下東金〕は、ペンクリップの専門会社として日本一、のシェアを持つ、日本の誇るモノ作り企業です。

創業は昭和26年、当時、婿養子として入った町のプレス屋さんで修行をしていた小菅庄七氏(現会長)が、プレスでペンのクリップを製作することを思い立ち、実家である藤原家のお兄さんと弟を誘って会社を興しました。

当時は戦後の復興期、始めてアメリカからボールペンが入ってきて数年が経った頃で、日本でもボールペンが作られ始めた所でした。

戦前からある万年筆やシャープペンの工場も再稼働を果たし、徐々に復興していく日本経済と共に、多くの筆記具メーカーからの注文が来るようになり、東金製のペンクリップは順調に生産数を伸ばしていきました。

東金の強みは、開発・設計・型作り・プレスによる生産から焼き入れまでを全て自社内で行っているところにあります。

通常の工業製品では、それぞれの部署を別々の会社が行うことが多いのですが、この一貫体制とそれによって蓄積されていった技術力・ノウハウが、多くの(と言うか日本にある全ての)ペンメーカーの信頼に繋がっています。

個人的には、特に型作りのノウハウと技術力が、その中でもキモになっているのではないかと思います。

型については、先に説明した単純な単発型から、複合型である順送型へ発展していきましたが、東金の設計する順送型はアイデアと精緻に富んだもので、その技術力が反映されています。

Exif_JPEG_PICTURE

Exif_JPEG_PICTURE

—————————————————————————————————-
ウェブサイトのワードプレス化に当たり、記事の移し替えの為、古い記事を再掲載しています。
この記事は2009年12月初掲 【ボールペン工房キリタの工房便り】