ケーファー開発秘話・開発遍3

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また、ケーファーの太さは直径9.5mmです。
本当は構造上は10mmにすれば既存の部品も使え、設計上の余裕もあったのです。

でもKWシリーズのような先細りの軸なら、太い部分が10mmでも良いのですが、ストレート軸の10mmは微妙に太いんですよね。

そこで9mmを目指したのですが、そうすると構造上どうしても内部の機構が収まらない。
それでしかたなく9.5mmと言う半端なサイズになりました。

本体の真鍮パイプの肉厚は0.5mmです。

キリタの他の真鍮ペンでは肉厚0.4mmのものが多いのですが、このペンでは少し短めの分、軽くならないよう、0.5mmにしました。

それに、肉厚0.5mmなら既製品のパイプが使える分、調達が早く、急な注文にも対応しやすく、別注を取るのにも有利になります。

このように長さや太さなどは、純粋に理想のデザインを追った行っただけでなく、構造上の制約や、材料調達のしやすさなどにも影響されています。

にもかかわらず、出来上がった製品の長さ・重さ・太さのバランスは絶妙で、多くのユーザーから絶対的な支持を得ています。

確かに大枠としては、狙っていた事は狙っていたのですが、完成してみたら狙った以上のものになっていたのです。

このことは私には、追い詰められた経営状態からなんとか会社を立ち直したい。みんなの生活を守りたいという気持ちで開発した製品の上に振ってきた奇跡のように思えるのです。

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この記事は2010年3月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】