ケーファー開発秘話・開発遍4

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ここまで読まれた方には、ケーファーの開発が至極順調にいったような印象を持たれるかもしれませんが、なかなかどうして上手く行かない部分もありました。

その中でも、手こずって手こずって、このままじゃらちがあかないんじゃないかと心配までしたのが、頭部の天金です。

完成された天金を見ると、ペン本体と同じ太さから始まって、後ろに行くにしたがって少しラッパのように膨らんで終わっています。

ぱっと見ると実にどおってことない形状に見えますが、この形状にたどり着くまでに、ずいぶんと色々な形を試しました。

実は最初は、太さは本体と同じまま、指の形に添うように3ヶ所に窪みをつけるつもりでした。

ファーバーカステルから出ているポルシェデザインのペンで、握る部分の指の当たる3カ所に窪みの付いているペンがあります。

それをイメージして窪みの長さや太さを考えて図案化してみたのですが、どうもしっくり来ないんです。

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そこで3ヶ所の独立した窪みではなくて、軸全体が少し細くなってから本の太さに戻る形で設計してみました。

これも細り始めの位置や絞った部分の細さ、カーブのアールなどを色々なパターンで試作しました。

さらに、細くするのを止めて、ずっとストレートで続くものや、逆に途中から太くするパターンも色々と作ったのですが、どれも自分が求めているカーブとはちょっと違うんです。

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この記事は2010年3月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】