ケーファー開発秘話・開発遍5

ケーファー開発秘話・開発遍5>

色々なカーブを試しても、どれもいまいち自分の納得のいく曲線がでないケーファーの天金ですが、かといって自分でも理想の曲線が頭にあるわけではないんです。

何となくもやもやとした姿は見えているのですが、いまいちはっきりしない。何ともじれったい感覚で、頭の中はすっかり混乱してしまいました。

そんなもうどうしたらいいか分からなくなって、ちょっと途方に暮れていた時に、キリタでNC旋盤を担当している関さんが「天金のカーブ、これでどうでか。」と言って差し出してきた部品がありました。

実はこの天金の開発の進め方としては、まず自分で図面を何枚か書き、これは良さそうだと思うものだけをNC旋盤で関さんに試作をして貰うというパターンでここまで進めてきたのです。

で、何個試作を作っても納得しない僕を見て、関さんが自分で考えた曲線のパターンを、僕の今までの図面を元に試作をしてみて、僕に見せてくれたのです。

その天金を見た時、一瞬で、これこそが僕の探していた曲線だと直感しました。

自分で何パターンも図面を引きながら見えてこなかった理想の曲線を、関さんが見事に探し当ててくれていたのです。

今改めて現物を見ても、要はどこから曲線が始まり、何アールで曲線が続き、最終的にどの位の高さと距離で終わるかと言うだけの事なんです。

でも、自分では見つけられなかったそのカーブは、すごくシンプルでスッキリしたカーブでした。

tenkinzu

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この記事は2010年3月初掲 【ボールペン工房キリタの工房便り】