塗装についての5

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手吹きの場合、製品を一つ一つ手で持って塗装したら、手にも塗料が付いてしまうし、逆に手で触れている部分は塗れません。

台に置いても、底面は塗れないし、裏側に回って反対側を塗るのも大変です。それに能率も悪すぎます。

そこで、数多くの部品を一度に並べ、かつ接地面の無いように空中に浮かせる道具が必要になります。そういった道具のことを冶具と言います。

手吹きの塗装に使われる冶具は松葉と呼ばれ、鉄の棒の表面に、文字通り2つに分かれた松葉の針が、規則正しくずらりと並んだ形をしています。これはメッキにも使われます。

ペンに使われる部品のほとんどは筒状の形をしています。そこで2つに分かれた松葉の針(実際は細い棒)をちょっとつぼめて部品の筒に通して手を離すと、棒の突っ張りで部品が冶具に固定されます。
(途中が曲がった1本の細い棒を使う場合もあります。)

鉄の棒にずらりと付いた松葉に、部品をどんどんつけていけば、棒状に部品が鈴なりに付いたモノが出来上がります。

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その棒を手に持ってガン吹きをすれば、多くの部品を一度に塗装できます。
棒をひっくり返せば、裏側も続けて塗れます。

針が接している部分は筒の内側なので、部品の表面にはむら無く塗装をすることができます。

これが、冶具を使った手吹きの工程で、ペンでは本体軸以外の小物は大抵この方法で塗装されます。

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この記事は2010年10月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】