塗装についての12

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文具の塗装を始めたのは、静電塗装の設備を納入した設備会社から、同じ設備を使っているプラチナ万年筆で仕事がさばききれないとのことで手伝ったことがきっかけでした。

その後、徐々に他の文具メーカーからの仕事も入るようになり、設備も筆記具向けの設備に特化していきました。

昭和58年には手狭な板橋工場の他に、埼玉の川越にベルトコンベアのラインを持つ川越工場を新設。ラインによる完全自動塗装も始めました。

川越工場の新設により、板橋では手吹きによる小物の塗装を。川越では主にペンの本体をラインで流す静電塗装という棲み分けが確立しました。

平成10年頃には、修氏から弟の康郎氏に社長がバトンタッチされています。
(「正確にいつだっかかな~」と言われてしまいました。(笑))

この現社長である康郎氏は、創業当時はまだ高校生でしたが、兄の会社を手伝ううちに仕事が忙しくなり、ついには高校を中退して塗装業界に入った叩き上げの職人です。

当時はまだ戦後17年しか経っておらず、復興期の日本の雰囲気が分かるエピソードですね。

千代田さんで塗装していただいているキリタ製品では、クリアの上からサンドペーパーで研磨をする「研ぎ出し」を必ずして貰っていますが、とろんとした艶が出てお客様からとても好評をいただいています。

これからも日本の筆記具業界のために質の高い塗装を提供し続けてくれることと思います。

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この記事は2010年11月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】