ボールペンの歴史の8

ボールペンの歴史の8>

ここ数年、ゲルインクボールペンに完全に抜かれた存在になっていた「油性ボールペン」が、最近再び売上を伸ばしてきています。

それもただの油性ではなく、従来とは明らかに異なるなめらかさをもった油性ボールペンです。

紙との摩擦抵抗が極端に少なく、ペンが紙の上をまるでアイススケートでもしているかのようにツルツルと滑っていきます。

2006年に発売された三菱鉛筆ののジェットストリームを皮切りに、パイロットのアクロボールやぺんてるビクーニャなど、各社が次々に投入し、今やすっかり激戦区のジャンルになっています。

jetstream

これらのペンではインクを構成している溶剤、潤滑剤、着色剤といったものが大幅に見直されており、何百種類、何千通りもの組み合わせの中から、最も滑らかな材料と組み合わせが使われているそうです。

さらにペン先のチップとボールとの相性もあり、各社相当に研究を重ね、研究開発費用もつぎ込んだ製品となっており、その内容は極秘中の極秘。

「キリタさんでもジェットストリームのような芯は出さないんですか?」と尋ねられることもあるのですが、うちのような町工場では開発できようはずもなく、仕入れさせてもくれません。

ただ個人的には、走り書きには良いのですが、じっくり書くには逆にペンが滑りすぎてしまう気もするのですが。(負け惜しみですか?)

うんちく話のまとめ読みはこちらから

—————————————————————————————————-
ウェブサイトのワードプレス化に当たり、記事の移し替えの為、古い記事を再掲載しています。
この記事は2011年3月初掲 名入れボールペンの【ペン工房キリタ】