ベークライトとペンについて その7

ベークライトとペンについて その7>

と、ここまで書いてくると、ベークライトボールペンも轆轤を使って削りだしているのかと思うかもしれませんが、実はキリタでは轆轤を使っていません。

柔らかい樹脂なら自走の轆轤でもまぁ削れますが、キリタが扱う材料は主に真鍮。元々が手作り万年筆の会社ではなく、旋盤による金属加工の会社ですから轆轤の設備はありません。

逆に言えば、便利な轆轤を使わずに電動の卓上旋盤のみで削り出しの筆記具を作っていく方がより困難で、職人の高い技術を必要とすることになります。

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大まかに切削の手順を言うと、先ず外観より先に中心の穴を空けます。外観を削ってから穴を空けようとすると、棒材が細くなっている分だけ回転が安定しません。

ドリルでの穴明けには相当の力が加わるので、棒材の太さのまましっかりと安定して回転していないと、穴のセンターずれや、最悪折れなどにも繋がります。

いきなり大きな穴を空けようとすると抵抗が大きいので、大抵は先に細い下穴を空けてから何回かに分けて穴を大きく空けていきます。

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名入れボールペンの【ペン工房キリタ】