サインペンの歴史、その9

サインペンの歴史、その9>

寺西化学工業の油性マジック、ぺんてるの水性サインペンと紹介してきましたが、ペン先に繊維を使ったペンでもう一つ大きな市場を持つ物に筆ペンがあります。

筆ペンそのものについての詳細説明はいらないですね。定義としては、ペン先が筆になっていて、インク(墨)が本体軸の中に収容されており、別に墨を用意しなくても連続で毛筆の墨文字がかけるペン、ですね。

筆ペンと言えば、なんと言っても呉竹の筆ペンが思い起こされます。現在も圧倒的なトップシェアですね。

株式会社呉竹の創業は明治35年と古く、始めは(現在も)墨や墨汁を作るのが中心事業でした。

その呉竹が筆ペンを発売したのは1973年(昭和48年)。ほぼ同時期にセーラー万年筆やぺんてるも筆ペンを発売していますが、もっとも完成度が高く、つまりこの場合は筆の感触に近く、もっともヒットしたのが呉竹製でしたので、この稿では呉竹製に絞って紹介していきます。

ちなみに筆ペン発売の10年前になる1963年に、ぺんてるがサインペンを発売しましたが、同じ年に呉竹からもサインペンが発売されています。

墨から始まった呉竹に対してぺんてるの創業者は筆職人だったそうで、筆ペンの発売も両者は同年。競い合っている様子が読み取れますね。

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