【クロコ】開発秘話、その13

【クロコ】開発秘話、その13>

革に被せるパーツは中間リングと先金ですが、リングは多少太くても、丸みを持たせる事でデザイン的にいい感じになるので、問題は先金です。

革を巻く前のパイプの外径が9.5mmで、剥いた後の革の厚みが0.7mmとすると、それをパイプに巻くと外径が計算上は10.9mmになります。

先金のそこに被せる部分の穴径をギリギリの11mmにして、その部分の肉厚を0.3mmとすると、先金の外径が11.6mmで収まる計算になります。

問題は11mmの穴に10.9mmの革を巻いたパイプが入るかどうかです。計算上は入るのですが、実際には部分的に凸凹の凸部で11mmを越えてしまう部分もありそうだからです。

そのことを加川に相談すると、凸の部分も押し込むようにして入れれば入るのではないかと言うことで、先ずは試してみることに。

今度は内外径の数値をきっちり出すためにNC旋盤で制作し、組み立ててみると、まあまあいい感じで収まります。

中間リングも先金と同様の被せるタイプにし、以前に作ったサンプルでは先軸側に一つだけ付いていたリングを、先軸側と後軸側の両方に付けることにしました。

これで本体軸、先金などの細かい部品、クリップなどのパーツが揃い、開発は完了です。

組んでみると、極シンプルなデザインながら、そのシンプルさがクロコ革の風合いを活かし、苦労した細かい部品も太くなりすぎずに収まり、なかなかいい感じです。

いよいよ日根野さんのコムオンボから本番用のワニ皮を貰ってきて、生産にかかります。

ワニ皮の色は、コムオンボからの調達のしやすさも考慮して、マットブラック、マットレッド、マットパープルの三色にしました。

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