【クロコ】開発秘話、その15

【クロコ】開発秘話、その15>

私に革職人の青木さんを紹介してくれた加藤さんが、突然亡くなったようだとの連絡を青木さんから受けたのですが、事の真偽を確かめるためには、まず近くの葬祭場に電話をしなければなりませんでした。

と言うのも、加藤さんの現在の奥さんはフィリピン人で、あまり日本語も得意でなく、こんな場合に連絡を取るべき加藤さんの交友関係が分からないでいたのです。

本来なら複数の経路で父の所に連絡が入るべき事項なのですが、今回はどこからも連絡は入りませんでした。

加藤さんは奥さんと子どもの三人暮らしでしたが、亡くなったときには奥さんと子どもはフィリピンに里帰り中で、一人で暮らしていた最中の突然死でした。

通常は一日に一回入るメールが三日も入らないので、心配した奥さんが急いで日本に戻ってみると、既に家の中で死んでいたそうです。

奥さんがかろうじて青木さんの所に来られたのは、加藤さんが生前たまたま奥さんと一緒に青木さんの家の前を車で通り、ここが革職人の青木さんの家だと教えていたのを奥さんが覚えていたからでした。

加藤さんの葬儀については、お通夜は無しで、告別式も葬祭場できちんと行われることもなく、火葬場で簡単なお見送りをしただけでした。

私の父の所から、加藤さんとの共通の知人に連絡を入れることも可能だったのですが、時間がなかったのと、奥さんがそれを望んでいるか確かめられなかったため、敢えてしませんでした。

結局、私の父は葬儀場で一人だけで最後のお別れを言い、火葬場で見送ったのは、奥さんとその友人夫妻の他は私と青木さんだけという寂しいお別れでした。

加藤さんの離婚した元の奥さんや子ども達には連絡はついたらしいのですが、葬儀には来ませんでした。

フィリピン人の奥さんは色々勝手が分からず、何処にどのくらいの資産があるかも分からないと言うことで、かなり苦労をしていたようでした。

この時点ではまだクロコボールペンは発売にこぎつけていなくて、私と青木さんは瑞江の火葬場からの帰り道で、これは何とかこの製品を世に送り出さないといけないとの思いを、共に抱いていました。

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